二の腕のぶつぶつ

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二の腕のぶつぶつ(毛孔性角化症・毛孔性苔癬)について

二の腕のぶつぶつは、医学的には毛孔性角化症または毛孔性苔癬と呼ばれる皮膚疾患です。この状態は、毛穴を中心に小さな角質の突起が多数現れることが特徴で、触ると鳥肌のようなざらざらした感触があります。見た目や触感から「さめ肌」や「鳥肌」と呼ばれることもあります。
毛孔性角化症は、毛包(毛根を包んでいる組織)に過度な角化が起こる状態を指します。一方、毛孔性苔癬は毛孔性角化症の一種で、より炎症を伴う傾向があります。毛孔性苔癬では、角化した粟粒ほどの大きさの発疹がたくさんできるのが特徴です。
これらの症状は主に二の腕や太ももの外側、お尻などに現れやすく、美容上の悩みとなることが多い皮膚トラブルです。症状自体は良性で健康上の大きな問題はありませんが、見た目や触感が気になる方も多く、適切なケアや治療が求められます。

二の腕のぶつぶつ(毛孔性角化症・毛孔性苔癬)の原因

遺伝的要因

毛孔性角化症や毛孔性苔癬には、遺伝的な傾向があることが知られています。家族内で同様の症状が見られることも多く、特定の遺伝子の変異が関与している可能性が示唆されています。

角化異常

毛孔性角化症や毛孔性苔癬では、毛包内での角化プロセスに異常が生じていると考えられています。通常、古い角質は自然に剥がれ落ちますが、この疾患では角質が正常に剥がれずに蓄積し、毛穴を塞いでしまいます。

ビタミンA不足

ビタミンAは皮膚の角化プロセスに重要な役割を果たしています。ビタミンA不足が毛孔性角化症や毛孔性苔癬の発症に関与している可能性が指摘されています。

乾燥肌

乾燥肌の方は毛孔性角化症や毛孔性苔癬を発症しやすい傾向にあります。肌の乾燥は角質層の機能を低下させ、毛穴の詰まりを促進する可能性があります。

ホルモンバランスの変化

思春期や妊娠期など、ホルモンバランスが大きく変化する時期に症状が悪化することがあります。これは、ホルモンが皮脂の分泌や角化プロセスに影響を与えるためと考えられています。

摩擦や刺激

タイトな服を着用したり、皮膚を強くこすったりすることで、症状が悪化する可能性があります。特に、乾燥した皮膚に対する摩擦は症状を悪化させる要因となります。

気候や環境の影響

乾燥した気候や寒冷な環境は、肌の乾燥を促進し、症状を悪化させる可能性があります。また、空調による乾燥も症状に影響を与える要因の1つです。

炎症反応

特に毛孔性苔癬では、毛包周囲に炎症反応が起こることが特徴です。この炎症反応の正確なメカニズムは不明ですが、何らかの刺激に対する免疫系の過剰反応が関与していると考えられています。

こんな症状でお困りではありませんか?

・二の腕や太ももの外側にざらざらした小さなブツブツがある
・肌がカサカサして乾燥している
・ブツブツが赤みを帯びている
・肌を触るとサメ肌のような感触がする
・ブツブツに軽いかゆみがある
・ブツブツが季節によって悪化する(特に冬)
・肌の質感が気になって半袖を着るのを躊躇する
・保湿クリームを塗っても症状が改善しない
・ブツブツが長期間(数ヶ月以上)続いている
・家族にも同じような症状がある
など

このような症状でお困りでしたら、西宮市の甲子園駅前おおした皮フ科クリニックへご相談ください。

二の腕のぶつぶつ(毛孔性角化症・毛孔性苔癬)の検査方法

毛孔性角化症や毛孔性苔癬の診断は、主に症状の視診と触診によって行われます。しかし、より詳細な検査や他の皮膚疾患との鑑別が必要な場合には、以下のような検査を行うことがあります。

皮膚の詳細な観察

医師が拡大鏡(ダーモスコピー)を用いて、皮膚の状態をより詳細に観察します。これにより、毛穴の状態や角質の蓄積の程度、炎症の有無などを確認することができます。

皮膚生検

診断が難しい場合や、他の皮膚疾患との鑑別が必要な場合には、皮膚生検を行うことがあります。局所麻酔を行った後、小さな皮膚片を採取し、顕微鏡で詳細に観察します。これにより、毛包の状態や角化の程度、炎症の有無などを確認することができます。

パッチテスト

症状が接触皮膚炎によるものではないかを確認するために、連携施設に紹介しパッチテストを行うことがあります。これは、アレルギーの原因となる可能性のある物質を皮膚に貼り付け、反応を観察する検査です。

血液検査

全身の健康状態やビタミンA不足の有無を確認するために、血液検査を行うことがあります。また、甲状腺機能などのホルモンバランスを確認することもあります。

真菌検査

症状が真菌感染によるものではないかを確認するために、患部から採取した検体を用いて真菌検査を行うことがあります。

アレルギー検査

症状がアレルギー反応によるものではないかを確認するために、アレルギー検査を行うことがあります。特に、食物アレルギーや環境アレルゲンに対するIgE抗体の採血などを行います。

二の腕のぶつぶつ(毛孔性角化症・毛孔性苔癬)の治療方法

毛孔性角化症や毛孔性苔癬の治療は、症状の軽減と再発予防を目的として行われます。完全な治癒は難しいケースも多いですが、適切な治療とケアにより、症状を大幅に改善することが可能です。当院では患者様の症状の程度や生活環境に合わせて、最適な治療方法をご提案いたします。

保湿ケア

保湿は毛孔性角化症や毛孔性苔癬の治療の基本となります。乾燥を防ぎ、皮膚のバリア機能を高めることで、症状の改善に繋がります。

保湿剤の使用

ケラチナミン、ウレパール(尿素製剤)やグリセリンなどの保湿成分を含む保湿剤を定期的に使用します。特に入浴後すぐに保湿剤を塗ることで、より効果的に水分を肌に閉じ込めることができます。

入浴方法の指導

熱すぎるお湯や長時間の入浴は肌の乾燥を促進するため避けましょう。ぬるめのお湯で短時間の入浴を心がけ、強くこすらないようにします。

角質除去

過剰に蓄積した角質を除去することで、症状の改善をはかります。

化学的な角質除去

サリチル酸ワセリン(一般名:サリチル酸)やグリコール酸、乳酸などの角質溶解成分を含む外用薬を使用します。これらの成分は過剰な角質を軟化させ、除去を促進します。

物理的な角質除去

軽い摩擦作用のあるスクラブ剤や、角質除去用のブラシなどを使用することもあります。ただし過度な摩擦は避け、皮膚に負担をかけないよう注意が必要です。

炎症の抑制

特に毛孔性苔癬では、炎症を抑制することが重要です。

ステロイド外用薬

炎症が強い場合には、短期間のステロイド外用薬の使用を検討します。ただし、長期使用による副作用に注意が必要です。

非ステロイド性抗炎症外用薬

プロトピック軟膏(一般名:タクロリムス)やコレクチム軟膏(一般名:デルゴシチニブ)、モイゼルト軟膏(一般名:ジファミラスト)の免疫調整薬を使用することもあります。これらは、ステロイド外用薬と比べて長期使用時の副作用が少ないという利点があります。

ビタミンA誘導体の使用

外用レチノイド

ディフェリン(一般名:アダパレン)などの外用レチノイドを使用します。これらは、毛包の角化を正常化し、症状の改善を促します。

内服レチノイド

症状が重度の場合には、内服レチノイド(イソトレチノイン)の使用を検討することもあります。ただし副作用に注意が必要で、慎重に使用します。

紫外線療法(エキシマライト)

紫外線療法(エキシマライト)を行うことで、症状の改善をはかることもあります。他の治療方法で十分な効果が得られない場合に検討されます。

内服薬による治療

抗生物質

炎症が強い場合には、短期間の抗生物質内服を行うことがあります。テトラサイクリン系やマクロライド系の抗生物質が用いられることが多いです。

抗ヒスタミン薬

かゆみが強い場合には、抗ヒスタミン薬の内服を行うことがあります。

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