水痘・単純疱疹

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水痘・単純疱疹について

疹・水痘・単純疱疹は、いずれもウイルス性の皮膚疾患です。これらの疾患は、それぞれ異なるウイルスによって引き起こされますが、皮膚に発疹や水疱を形成するという共通点があります。
これらの疾患は、特に小児期に多く見られますが、成人でも発症することがあります。多くの場合、感染力が強く、接触や飛沫によって容易に感染が広がる特徴があります。
疹・水痘・単純疱疹の多くは、適切な治療と管理によって症状を軽減し、合併症を予防することが可能です。しかし、中には重症化するリスクがあるものもあるため、早期の診断と適切な治療が重要です。

水痘・単純疱疹(単純ヘルペス)の種類・原因

疹(発疹)

疹(発疹)は、皮膚の色や形態の変化を総称する用語です。様々な原因によって引き起こされ、ウイルス性疾患もその1つです。ウイルス性の疹の代表的なものには、麻疹(はしか)、風疹(三日はしか)、突発性発疹などがあります。
麻疹は麻疹ウイルス、風疹は風疹ウイルスによって引き起こされます。これらのウイルスは主に飛沫感染によって伝播します。突発性発疹は、主にヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)によって引き起こされ、乳幼児に多く見られます。
これらの疾患は、それぞれ特徴的な発疹パターンを示します。麻疹は赤褐色の斑点状の発疹、風疹は淡紅色の小さな発疹、突発性発疹は解熱後に現れる淡紅色の小さな発疹が特徴的です。

水痘

水痘は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされる急性のウイルス性疾患です。主に小児期に発症しますが、成人でも感染することがあります。
水痘ウイルスは非常に感染力が強く、飛沫感染や接触感染によって伝播します。また、空気感染する可能性もあります。感染から発症までの潜伏期間は通常10~21日です。
水痘の特徴的な症状は、全身に現れる水疱性の発疹です。これらの水疱は、かゆみを伴い、数日のうちに痂皮(かさぶた)を形成して治癒します。発疹は、体幹部から始まり、顔面や四肢に広がっていきます。

単純疱疹

単純疱疹は、単純ヘルペスウイルス(HSV)によって引き起こされる感染症です。HSVには1型(HSV-1)と2型(HSV-2)があり、主にHSV-1は口唇ヘルペス、HSV-2は性器ヘルペスを引き起こします。
単純疱疹ウイルスは、感染者の唾液や分泌物との直接接触によって伝播します。初感染後、ウイルスは神経節に潜伏し、様々な要因(ストレス、疲労、日光暴露など)によって再活性化して症状を引き起こすことがあります。
症状は、小さな水疱の集簇として現れ、痛みやかゆみを伴います。口唇ヘルペスは主に口唇や口腔周囲に、性器ヘルペスは性器やその周囲に発症します。

熱の華(発熱型単純疱疹)

熱の華は、単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の再活性化によって引き起こされる症状です。主に唇や口の周囲に小さな水疱が集簇して現れます。
発熱、日光暴露、ストレス、月経などがきっかけとなって発症することが多いため、「熱の華」と呼ばれています。多くの場合、初感染は小児期に起こりますが、その後ウイルスが神経節に潜伏し、様々な要因で再活性化します。
症状は、まずピリピリとした違和感や痛みから始まり、その後小さな水疱が形成されます。これらの水疱は数日で破れ、痂皮を形成して治癒します。

手足口病

手足口病は、主にコクサッキーウイルスA16型やエンテロウイルス71型などのエンテロウイルス属のウイルスによって引き起こされる感染症です。主に乳幼児や小児に多く見られますが、成人でも感染することがあります。
感染は主に飛沫感染や接触感染によって起こります。また、感染者の便中にもウイルスが排出されるため、糞口感染の可能性もあります。
症状は、手の平、足の裏、口腔内に小さな水疱や潰瘍が形成されるのが特徴です。発熱を伴うこともありますが、多くの場合は軽症で、1週間程度で自然に治癒します。

伝染性紅斑(リンゴ病)

伝染性紅斑は、ヒトパルボウイルスB19によって引き起こされるウイルス性疾患です。主に学童期の子供に多く見られますが、成人でも感染することがあります。
感染は主に飛沫感染によって起こります。潜伏期間は4~14日程度で、感染力が最も強いのは発疹が出現する前の時期です
症状は、両頬に鮮やかな紅斑(赤い発疹)が現れるのが特徴で、これが「リンゴ病」の由来となっています。その後、手足や体幹にレース状の発疹が広がることがあります。多くの場合、全身症状は軽微で、自然に治癒します。

こんな症状でお困りではありませんか?

・全身に赤い発疹や水疱が現れた
・口のまわりに小さな水疱ができ、痛みを感じる
・手の平や足の裏に水疱や潰瘍ができた
・両頬に鮮やかな赤い発疹が現れた
・発疹や水疱に強いかゆみがある
・発疹とともに高熱が続く
・口内炎のような症状が現れ、食事が困難
・発疹が出た後、痂皮(かさぶた)ができている
・発疹や水疱が繰り返し同じ部位に現れる
・子供の発疹が急速に広がっている
など

このような症状でお困りでしたら、西宮市の甲子園駅前おおした皮フ科クリニックへご相談ください。

水痘・単純疱疹の検査方法

水痘・単純疱疹の診断は、主に症状の観察と以下のような検査方法を組み合わせて行います。当院では、患者様の症状や状態に応じて適切な検査を選択し、正確な診断に努めています。

視診

医師が患部を詳細に観察し、発疹や水疱の形状、分布、色などを確認します。多くの疾患は特徴的な症状を示すため、経験豊富な医師の視診だけでも高い確率で診断が可能です。

問診

発症時期、経過、全身症状の有無などについて詳しくお聞きします。これにより、感染源や感染経路の推定、他の疾患との鑑別が可能になります。

ウイルス検査

特定のウイルスの存在を確認するために、以下のような検査を行うことがあります。

PCR検査

ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を用いて、ウイルスの遺伝子を検出します。高感度で特異的な検査方法で、水痘ウイルスや単純ヘルペスウイルスなどの検出に用いられます。

ウイルス抗原検査

ウイルスの特定のタンパク質(抗原)を検出する検査です。迅速に結果が得られるため、緊急性の高い場合に有用です。

血清学的検査

血液中のウイルスに対する抗体を検出する検査です。過去の感染歴や現在の感染状態を確認するのに役立ちます。

ツァンク試験

水痘や単純疱疹の診断に用いられる検査方法です。水疱の底部から採取した細胞を顕微鏡で観察し、特徴的な多核巨細胞の有無を確認します。

血液検査

全身状態の評価や他の疾患との鑑別のために、一般的な血液検査を行うことがあります。白血球数や炎症マーカーの上昇などが感染症の診断の参考になります。

皮膚生検

診断が難しい場合や、他の皮膚疾患との鑑別が必要な場合には、皮膚生検を行うことがあります。局所麻酔を行った後、小さな皮膚片を採取し、顕微鏡で詳細に観察します。

水痘・単純疱疹の治療方法

水痘・単純疱疹の治療方法は、原因となるウイルスの種類や症状の程度によって異なります。当院では、患者様の状態を詳しく診察し、最適な治療方法をご提案いたします。

対症療法

多くのウイルス性皮膚疾患では、症状の緩和を目的とした対症療法が中心となります。

安静と休養

十分な休養をとり、体力の回復を促します。特に発熱を伴う場合は、安静にすることが重要です。

保湿・患部を清潔に保つ

皮膚の乾燥を防ぎ、二次感染のリスクを低減するために、適切な保湿と患部を清潔に保つことが重要です。

かゆみ止め

かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬の内服や、ステロイド外用薬の使用を検討します。

解熱鎮痛薬

発熱や痛みがある場合は、ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)や カロナール(一般名:アセトアミノフェン)などの解熱鎮痛薬を使用します。

抗ウイルス薬治療

水痘や単純疱疹などでは、抗ウイルス薬の使用が効果的です

アシクロビル

水痘や単純疱疹に対して使用される代表的な抗ウイルス薬です。内服薬や軟膏、点滴薬があります。

バルトレックス(一般名:バラシクロビル)

アシクロビルの改良型で、内服薬として使用されます。体内でアシクロビルに変換されて作用します。

ファムビル(一般名:ファムシクロビル)、アメナリーフ(一般名:アメナメビル)

単純疱疹や帯状疱疹の治療に使用される抗ウイルス薬です。アメナリーフは腎機能が低い方や透析の方にも安心して使えることが特徴です。

外用薬による治療

抗ウイルス軟膏

アシクロビル軟膏やアラセナ(一般名:ビダラビン)軟膏などを使用し、局所的にウイルスの増殖を抑制します。

ステロイド外用薬

炎症を抑制し、かゆみや痛みを軽減するために使用します。ただし、使用には注意が必要で、医師の指示に従って適切に使用することが重要です。

免疫グロブリン療法

重症の水痘や、妊婦の水痘感染などでは、免疫グロブリン療法を行うことがあります。これは、水痘に対する抗体を含む免疫グロブリンを投与することで、症状の軽減や合併症の予防をはかる治療方法です。

単純ヘルペス再発抑制療法(PIT療法)

ヘルペスの初期症状がでたときに、ご自身の判断であらかじめ処方されている薬を服用する方法です。ファムビル(一般名:ファムシクロビル)、アメナリーフ(一般名:アメナメビル)が使用できます。

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