口唇炎、口角炎

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口唇炎、口角炎について

口唇炎、口角炎は、口唇や顔面を中心に発症する炎症性の皮膚疾患です。これらの疾患は、外的刺激や内的要因によって引き起こされ、患者様のQOL(生活の質)に大きな影響を与える可能性があります。
口唇炎は唇の炎症を指し、口角炎は口の端(口角)に生じる炎症を指します。一方、皮膚炎は皮膚の炎症を総称する用語で、その中でも花粉皮膚炎や脂漏性皮膚炎は顔面に生じやすい代表的な皮膚炎です。
これらの疾患は、それぞれ異なる原因や症状を持ちますが、共通して炎症や不快感を引き起こし、外見上の問題にもなり得ます。また、慢性化や再発を繰り返すことも多く、適切な診断と治療、そして日常的なケアが重要となります。

口唇炎、口角炎、皮膚炎の種類・原因

口唇炎

口唇炎は、唇の炎症を指す総称です。主な種類と原因には以下のようなものがあります。

●アレルギー性口唇炎:化粧品、歯磨き粉、食品などに含まれるアレルゲンによって引き起こされます
●接触性口唇炎:刺激物質(強い酸や塩基性の物質など)との接触によって生じます
●日光性口唇炎:紫外線への過度の曝露によって引き起こされます
●感染性口唇炎:ヘルペスウイルスなどの微生物感染によって生じます

口唇炎の症状としては、唇の腫れ、発赤、痛み、ひび割れ、かさつきなどが見られます。重症の場合は、水疱や潰瘍を形成することもあります。

口角炎

口角炎は、口の端(口角)に生じる炎症性の病変です。主な原因には以下のようなものがあります。

●真菌感染:カンジダなどの真菌の感染によって引き起こされます
●細菌感染:ブドウ球菌などの細菌の感染によって生じます
●栄養不足:ビタミンB群やビタミンC、鉄分の不足が関与することがあります
●唾液の垂れ:特にご高齢の方や入れ歯をご使用中の方に多く見られます

口角炎の症状としては、口角の発赤、腫れ、亀裂、痛み、かさぶたの形成などが見られます。慢性化すると、口を大きく開けにくくなることもあります。

花粉皮膚炎

花粉皮膚炎は、花粉によって引き起こされる接触性皮膚炎の一種です。主な原因と特徴は以下の通りです。

●原因:スギ、ヒノキ、ブタクサなどの花粉が皮膚に付着することで生じます
●好発部位:露出部位(顔面、首、手など)に多く見られます
●季節性:花粉の飛散時期(主に春)に症状が悪化します

花粉皮膚炎の症状としては、かゆみを伴う発赤、腫れ、小さな丘疹などが現れます。目のまわりや首筋に症状が出やすい傾向があります。

脂漏性皮膚炎(顔のガサガサ、ふけ症)

脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が多い部位に生じやすい慢性の炎症性皮膚疾患です。主な原因と特徴は以下の通りです。

●原因:マラセチア菌(皮膚常在真菌)の過剰増殖、皮脂分泌の異常、免疫反応の変化などが複合的に関与していると考えられています
●好発部位:頭皮(ふけ症)、眉間、鼻周囲、耳の後ろ、胸の中心部など
●悪化因子:ストレス、気候の変化(寒冷、乾燥)、ホルモンバランスの変化などが症状を悪化させることがあります

脂漏性皮膚炎の症状としては、発赤、かゆみ、落屑(フケのようなもの)が特徴的です。重症化すると、炎症が強くなり、痛みを伴うこともあります。

こんな症状でお困りではありませんか?

・唇がカサカサして荒れている
・唇に痛みを伴う腫れや赤みがある
・口の端にひび割れや痛みがある
・口を大きく開けにくい
・花粉の季節になると顔や首にかゆみを伴う発疹ができる
・眉間や鼻のまわりが赤くなり、フケのようなものが付着する
・頭皮のかゆみが強く、ふけが多い
・顔の皮膚がベタベタする、または過度に乾燥している
・症状が季節や環境の変化で悪化する
・繰り返し症状が再発する
など

このような症状でお困りでしたら、西宮市の甲子園駅前おおした皮フ科クリニックへご相談ください。

口唇炎、口角炎の検査方法

口唇炎、口角炎の診断は、主に症状の観察と以下のような検査方法を組み合わせて行います。当院では、患者様の症状や状態に応じて適切な検査を選択し、正確な診断に努めています。

視診と触診

医師が患部を詳細に観察し、発疹の形状、分布、色調などを確認します。また、触診によって皮膚の状態(乾燥、湿潤、硬さなど)を評価します。

問診

発症時期、経過、悪化因子、既往歴、アレルギー歴などについて詳しくお聞きします。これにより、原因の推定や他の疾患との鑑別が可能になります。

パッチテスト

アレルギー性接触皮膚炎が疑われる場合に行います。原因と思われる物質を皮膚に貼付し、アレルギー反応の有無を確認します。必要時は連携施設へ紹介します。

KOH直接鏡検

真菌感染が疑われる場合に行います。患部から採取した検体を水酸化カリウム(KOH)溶液で処理し、顕微鏡で観察します。

培養検査

細菌や真菌の感染が疑われる場合に行います。患部から採取した検体を培養し、原因菌を同定します。

血液検査

全身状態の評価や他の疾患との鑑別のために、以下のような血液検査を行うことがあります。

●一般血液検査:炎症の程度や貧血の有無を確認します
●アレルギー検査:特異的IgE抗体の測定により、アレルギーの原因を特定します
●ビタミン・ミネラル検査:栄養状態を評価します

皮膚生検

診断が難しい場合や、他の皮膚疾患との鑑別が必要な場合には、皮膚生検を行うことがあります。局所麻酔を行った後、小さな皮膚片を採取し、顕微鏡で詳細に観察します。

口唇炎、口角炎の治療方法

口唇炎、口角炎の治療は、原因の除去や回避、症状の軽減、再発予防を目的として行われます。当院では、患者様の症状や状態に応じて、以下のような治療方法を組み合わせて最適な治療プランをご提案いたします。

薬物療法

外用薬

●ステロイド外用薬:リドメックス、ロコイド、テラ・コートリル、デキサメタゾン口腔用軟膏など。炎症を抑制し、かゆみを軽減します。症状の程度に応じて、適切な強さのステロイド薬を選択します
●抗真菌外用薬:ニゾラール(一般名:ケトコナゾール)クリームなど。真菌感染が関与している場合に使用します
●抗生物質軟膏:ゲンタシン(一般名:)、アクアチム(一般名:ナジフロキサシン)など。細菌感染が関与している場合に使用します
●保湿剤:ワセリン、プロペトなど。皮膚の乾燥を防ぎ、バリア機能を改善します

内服薬

●抗ヒスタミン薬:かゆみを軽減します
●抗真菌薬:重度の真菌感染の場合に使用します
●抗生物質:重度の細菌感染の場合に使用します
●ビタミン・ミネラルサプリメント:ビタミンB2(リボフラビン)、B6(ピドキサール)、亜鉛など。栄養不足が関与している場合に使用します

局所処置

湿布療法

炎症が強い場合、冷湿布や温湿布を用いて症状の緩和をはかります。

口腔ケア指導

口角炎の治療や予防のために、適切な口腔ケア方法を指導します。

原因除去・回避

アレルギー性接触皮膚炎や刺激性接触皮膚炎の場合、原因物質の特定と除去・回避が重要です。

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